どうも、尻澤です。
今回はこちらの感想。
『ふつうの軽音部』です。
最近Twitterで見かけてずっと気になっていた漫画です。
………なんかもう表紙から面白そうじゃない!?!?!?!?
ぼくはこういうゆるい雰囲気の青春漫画、大好き(でぇすき)です。
表紙見た瞬間に買おうと決断しました。
この表紙のJKが主人公なのですが、どことなく『スキップとローファー』の主人公みつみを彷彿とさせる雰囲気ですね。
あらすじとしては、主人公の楽器経験ゼロの邦ロック好き女子・鳩野ちひろが高校入学を機に軽音部にはいる…という、割と「ふつう」なストーリーです。
しかし、内容は「ふつう」じゃない面白さ。
まず何が魅力かといったら、人間一人ひとりの解像度の高さ。
「こういうやついるわ~」と「その気持ちわかるわ~」の特盛です。
例えば、入学式後の教室での自由時間、まだしゃべる相手がいないので困ったちひろは
「よし!トイレに行こう 決して教室に居場所が無いからではなくあくまで尿意があるから!」
と心の中で唱えます。
この、誰に聞かれたわけでもないのになんか自分の中で言い訳しちゃう感じ、分かる~。
ちなみに同じ現象で、離席してる間にあんまりしゃべったことないヤツが自分の席に座ってて、「どいて」っていうのも気まずいから「そういえばちょっと散歩したい気分だよな…」と心の中で呟いて、その人が席を立つまで学校を散歩する、というのを僕はやったことがあります。
様々なキャラが登場しますが、こんな調子で一人ひとりの解像度が高く、心情の描き方が細かくてめちゃくちゃ共感してしまいます。
特にちひろの、正直で自然体な様子が、たまに僕の気持ちを代弁してくれているような感じがしてとてもいいです。
そんなところもどことなく『スキップとローファー』風味を感じる要因かもしれません。
しかし、『スキップとローファー』と大きな違いを生み出し、この漫画をこの漫画たらしめている要素があります。
それは「軽音部ならではの人間関係」です。
やっぱり僕の中ではどうしても、軽音部ってチャラくてつまんないやつが多くて、めんどくさい恋愛やいざこざも多い、という一般的なイメージがあります。あくまで一般的なイメージが。
そしてこの漫画にもそれらがしっかりと描かれているのです。
流行りのバンドだけ聞いてロック好きを気取っちゃってるやつとか、部活内で彼女作りまくってるクズっぽいやつとか、イタいやつもたくさん出てきます。
だからこそ人のゴシップネタを聞いてるような感覚で面白いというのもあるのですが…
それだけでなく、そんな環境の中でもキラキラと輝く青春のカケラを感じることができるのが、この漫画の一番の魅力なのではないでしょうか。
例えばちひろは、内田桃ちゃんという同級生と知り合います。彼女の陽キャっぽい雰囲気に最初は恐縮していたちひろですが、彼女の色々な側面を知っていくことで、次第に仲良くなっていく…
っていう…
さいこうじゃない!?!?こういう「陽キャっぽいキャラにも実は悩みが…」みたいな展開、あるあるなのかもしれないけど好き。
めんどくさい人間関係の中でも、まっすぐな気持ちで軽音や友達の気持ちに向き合い、友情をはぐくんでいく、そんな姿をゆるく描いてくれています。
といった感じで、めちゃくちゃ共感性が高くて面白い漫画だったのでぜひ読んでみてください。
ちなみに邦ロックのことは知らなくても楽しめます。多分知ってたらもっと楽しめます。ライブシーンとか。
まだ既刊1巻で追いつきやすいし、ジャンプ+で無料で読めるので、ぜひ!!!!