プリプリ冒険譚

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【アニメ】16bit センセーション 8話をたくさん褒める記事

どうも、尻澤です。

 

2023秋クールで放送したアニメ、「16bit センセーション ANOTHER LAYER」ご覧になりましたでしょうか。

超話題作、というわけではないですが、名作の予感がしてます。アタシ。

といっても原作の同人漫画はそもそも知らなかったニワカなんですが。

 

引用:

「16bitセンセーション」古賀葵が開口一番「よくしゃべる!」阿部敦らはアフレコ話披露(イベントレポート) - コミックナタリー

 

ストーリーとしては、美少女ゲーム大好きな主人公の秋里コノハが、突然美少女ゲーム黎明期の1992年にタイムリープしてしまう、という話です。タイムリープしたコノハはアルコールソフトという当時のゲーム会社でアルバイトとして働いてゲームを作ることで、美少女ゲームへの愛を形にしていきます。

僕は当時まだ生まれてないのでわかりませんが、90年代を経験しているオタクにはブチ刺さりそうな内容です。

 

放送は12話で終了しまして、全体を通して創作に対する熱い情熱を感じられて僕はかなり好きなタイプの話でした。

その中でも今回は…………8話を…褒めたいッ…。褒めてあげたいッ……。いまさらッ…。

(以下、若干8話とそれまでのネタバレになるのでこれから見たい人は注意。)

 

 

 

8話では、コノハがタイムリープを繰り返すこれまでの流れと打って変わって、アルコールソフトのプログラマーである守くんがタイムリープをします。

しかし、守くんが行った先は1985年のエコーソフトという少し不思議なゲーム会社。

1985年なのに近未来感のある施設と、未来人の雰囲気漂う”エコー”という2人の人物。畳張りの和室もあれば、絵画が黒い空間に浮かんだ(Ibを彷彿とさせる)変な部屋もある不思議な建物。しかもそれを守くんがすんなり受け入れている。最初に見たとき、とんでもない違和感で少し怖いくらいでした。1話分飛ばして見ちゃったんじゃないかと思った。

 

見進めると、エコー1号はAIのような、完璧な計算が可能で大量の仕事をこなせるが、想像力や感受性、思いやりといった人間らしさが欠如した存在であることが分かります。想像力が足りない彼らには良いゲームが作れず、苦悩していました。

彼らに「想像力」とは何かを教えるのに苦戦する守くんでしたが、確かにうまく説明するのが難しい。

想像力の欠如はエコー2号にもいえていて、「かわいさ」という人間にしか測れないものを守くんに点数付けしてもらって、それを理解しようとしているのではないでしょうか。

エコー2号がいなくなった時も、エコー1号は心配した様子がなく、「エコーは大丈夫、でも帰ってこないと不便だ」と言っています。よく考えれば、心配するというのも「相手が今何をしているのか、危険にあってないか」ということを想像する行為ですね。

 

しかし、守くんがエコー2号を心配して探しに行ったことでエコー達に変化が起こります。守くんの心配するという行為を目の当たりにしたエコー1号は、ふと「守さんは、どんなゲームを面白いと思うのでしょう」と言いました。それ!!!!それだよ!!!!想像してるよ今!!!キミ!!!!!!!!!

また、2号も守くんが心配して来てくれたことに対して、「嬉しさ」を覚えたような顔をします。さらに彼女は嬉しそうな顔で、過去に守くんが90点を付けてくれた時の服を着ました。そのうえ守くんが0点を付けると目に光がなくなる、つまり「悲しさ」を感じたであろう表現があります。完全に人間の感覚、感情を覚えてる。

 

このような形でエコー達は人間の想像力とは何かに気づいたのです。その後ビルの屋上でアキバの街を眺めながらエコーと守くんは対話します。エコーはアキバに対して「この街にエネルギーが集まっている、今にここはどんなことも起こりえる、そんな場所になる」と言いました。まさにアキバは様々な創作物が集まるオタクの聖地。創作物は、いろんな人が想像力を働かせて、見る人は何を面白いと思うのだろうと想像して、全身全霊で作ったという想像のエネルギーがたくさん詰まったものです。

「現実にはないものを想起し、形作る力」とエコーは定義し、それがどんな人間にも備わっている、さらにはそれが人間の本質であるとも言います。そして「人間は想像力によって別の次元、時間、事象にアクセスして大きなエネルギーを得ることができる」「想像力が時間も空間も変化させる」というセリフも出てきます。確かに人間は過去を想像することで歴史を明らかにしたり、未来を想像することで新たな技術やモノ、流行を作り出すことができます。人間は想像力によっていろんなものを作り出し、現実を作っていくのだということを考えさせられました。

 

 

だいぶダラダラ書いてしまいましたが、人間の想像力をたたえ、創作物には想像のエネルギーが詰まっているというメッセージを僕は感じました。世の中にはいろいろな創作物があって、その一つ一つに作った人々の個性あふれた想像が活かされています。人間の想像の世界は誰一人として同じものを持つ人はいません。

 

僕はそんな人間の魅力にあふれた創作物たちが大好きなのでとてもこの話は刺さりました。とってもよいアニメ!!