プリプリ冒険譚

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【漫画】「スキップとローファー」良すぎる組合 創設

こんにちは。尻澤です。

 

今日、「スキップとローファー」9巻読みました。皆さんは「スキップとローファー」、ご存じでしょうか。

石川県のド田舎から上京してきた高校一年生の岩倉美津未が、その天然っぷりを発揮してみんなを元気にしながら青春を送るという学園ものなんですが…………

 

 

 

良すぎ。

 

 

 

良すぎ。

 

良すぎなのよ。

このお話、設定やあらすじは特にインパクトがあるわけでもなく、普通にこの日本のどこかで今起こってそうな高校生たちの日常を描いているんですが…

登場人物たちが抱く感情の描写がリアルすぎて、こっちの心臓までグシャグシャ動かしてきます。個性豊かでいろんなタイプの高校生が出てくるんですが、全員が同じようにそれぞれの悩みを持っていて、それが死ぬほど丁寧に描写されてるんです。新宝島の山口一郎もびっくりの丁寧。

作者の高松美咲先生はなんでこんなに”人間”を理解してるの???なんでこんなに様々なタイプの人間の気持ちが分かるの???人生8周目????高松先生に「人間あるある」を言わせたら多分誰にも負けないと思う。

そんなわけでみんなの感情がとても分かりやすく描写されているから、登場人物全員に共感しちゃうし、みんなのこと大好きになっちゃう。みんないいヤツなの。でもたまにすれ違う時もある。

 

(以下若干のネタバレ注意)

中でも好きなのが「まこゆづ」。めちゃくちゃ美人でモテまくってきた結月と、控えめでいわゆる陽キャとは壁を作ってしまいがちなまこっちゃんの2人。正反対に見える2人だけど、お互い一番仲がいい友達といえるほど仲良くなるんです。

結月はモテまくっていたが故に気を使いまくって生きてきたのですが、まこっちゃんには素の感じを出せるっていう、特別な友達感がめちゃくちゃいいんですが…

何よりもまこっちゃんが結月に対して普段隠してる「デレ」を見せるときがいい。一番いい。4巻でまこっちゃんが中学の友達に結月のいい所を一生懸命説明してるシーン、マジで泣いた(マジ)。普段は結月→まことが強めに見えるけどたまに見え隠れするまこと→結月の矢印が尊すぎて、そのまま僕に刺さって死ぬ。友情って美し!。

 

 

みつみの性格も元気をもらえる感じがしていい。独特の自分だけの感性や自分のやりたいことをしっかり持っていて、それに自信を持っている様子にはうらやましくもなります。志摩くんの気持ちはきっとこんな感じ。

そしてそれは優しい家族や友達から肯定され、自分の気持ちを隠さずに相手にぶつけられる環境の中育ったから形成された性格だと思う。だから東京の、思ったことを口に出さず、周りの空気を読まないとやっていけないギスギスした関係の中で、みつみの良さが失われてしまうのではないかという危うさを時々感じる。そして志摩くんもそれを多分感じてた。

でも意外とみつみは強くて、自分を曲げずに生きていく様子に安心感があります。このまま東京でたくさんの人の気持ちに触れて成長すれば、「確固たる自分の意志を持ちつつ、他人の気持ちが理解できる」という最強人間になるのでは?と思う。人間として理想の姿。

あと関係ないけどみつみの両親の顔、ちょうど半分ずつみつみっぽさがあるから「みつみの両親だな~」って感じがして、なんでそんな描き方できる??と思ってる。

 

 

そして発売されたてホヤホヤの9巻、めちゃくちゃいい。

みつみたちが2年生になり、7・8巻と新キャラも登場して面白かったのですが、いつものメンツの7人のエピソードは減ってしまいました。なので「この学年が変わると前のクラスの人との関わりが減っちゃう感じ、リアルだな~」と思いつつ、

なんか………さびしい…………………

って思っていました。

しかし!!9巻で夏休みに突入したことで、また7人の絡みが見られた。ありがとう……高松美咲…………夏休み編だけで100巻分書いてくれねえかな………

前半は久々の山田回や、みつみがみんなを地元に誘う場面があり、青春の尊さと儚さで心をギュンギュンに絞られますが、何よりもみんなで旅行に行くのが楽しみすぎて「早くいこうよ!ねえ!!」って自分も旅行についていくみたいなテンションになってました。

後半は今までスポットの当たっていなかったふみちゃんや真春の感情も明らかになり、色々ありつつも最後はみつみのBIG LOVEがみんなを笑顔にしていて最高。他のみんなも楽しそうにしてて最高。山田がいない時迎井がいじられ役になるの、いいね…………

まじでこの青春、終わってほしくない。終わらないでほしい。終わることが嫌だ。終了止欲。

 

あと志摩くんはしっかりして!!!!!!君はどうしたいの!!!!!ねえ!!!!!!!ねえってば!!!!!!!!!!

確かに自分の気持ち理解できないっていうところはとても共感できるし、過去も重いからあまり責められないけど…でも傍から見ている人間としては非常にヤキモキしちゃう。

 

でも、志摩くんがみつみのことを「正しい人」だと認識している話、何となく共感できてしまった。志摩くん的には他人の考えてることがわかっちゃう自分と違って、他人にどう思われてるかを気にせず、人を思いやりながら自分のやりたいこともやってのけてしまうみつみがすごい人に見えて、そういう在り方が「正しい」んだって考えるようになったのかなと思った。

自分も人目を気にするタイプだから、「人目を気にする人はダメな奴で、周りの目が気にならなくて心に余裕あるタイプが人間として完成されてる」って考えてしまう節ある。よくないと分かってはいても、やっぱり他人の視線を気にしてキョドってる自分みたいなタイプより、そういう人がかっこよく見えてしまうし憧れがある。

でもみつみにも悩みがあるって考えると少し安心しますね。そういう読者に優しいところもスキローの良さってワケ。

 

 

いきなり2つ目の記事で長々と語ってしまってすみません。まだまだ語りたいことは多いですが、この記事が地球一周分くらいになってしまう気がするので止めておきます。

皆さんもぜひ読んでください。